こんにちは。多肉植物研究所、運営者の所長です。

アガベ・チタノタの中でも、その圧倒的な白い鋸歯と力強い姿で多くの愛好家を魅了しているのが、ホオジロザメ(大白鯊)ですよね。私も初めてその写真を見たときは、あまりのカッコよさに衝撃を受けました。しかし、人気が高まる一方で、残念ながらアガベのホオジロザメの偽物に関するトラブルや、ヤフオクやメルカリでの紛らわしい出品が増えているのも事実です。

せっかく高額な予算を準備して憧れの株を探しているのに、届いたものが全く別物だったら悲しいですよね。そこで今回は、アガベのホオジロザメの偽物を掴まないために知っておきたい真正品の特徴や、市場の相場、そして信頼できる株の選び方について、私自身の経験も踏まえて詳しくお話ししようと思います。この記事を最後まで読めば、偽物に惑わされず、納得のいく一株に出会える確率がぐっと高まるはずですよ。

この記事のポイント
  • アガベホオジロザメ(大白鯊)の定義と正しい血統の知識
  • 偽物やタイプ品を見抜くための具体的な形態学的ポイント
  • オークションやフリマサイトに潜むリスクと回避する方法
  • 失敗しないための適正な相場観と購入時のチェックリスト

アガベホオジロザメの偽物を見抜く鑑定のコツ

アガベホオジロザメの偽物を見抜く鑑定のコツ

ホオジロザメは、アガベ・チタノタの中でもトップクラスの人気を誇るブランド株です。まずは、何をもって「本物」とするのか、その基準を整理していきましょう。近年、植物の取引におけるトラブルは増加傾向にあり、消費者庁からもインターネット通販等でのトラブルに対する注意喚起が出されています(出典:消費者庁『インターネット通販トラブル』)。高額なアガベの取引でも同様の注意が必要です。

大白鯊やホオジロザメという名称の定義と由来

アガベ・チタノタ「ホオジロザメ」という名前を聞いて、何を思い浮かべますか?多くの方は、あの荒々しく白い、まさにサメの歯のような鋸歯(きょし)を想像されるかと思います。実はこの品種、もともとは台湾の非常に有名なナーセリー(育種家)である「Lize Gardening」によって選抜され、世に送り出された特別な個体なんです。

中国語圏では「大白鯊(ダァバイシャ)」と呼ばれており、これは日本語に直訳するとまさに「ホオジロザメ(Great White Shark)」となります。重要なのは、この名前が単なる「見た目の形容」ではなく、特定の親株から栄養繁殖(カキコや組織培養)によって増やされた「同一の遺伝子を持つクローン」を指すブランド名であるという点です。植物学的に言えば、この特定のクローン以外は、たとえ見た目が似ていても「ホオジロザメ」という名前を冠して販売されるべきではありません。

アガベの世界では、同じチタノタであっても個体差が非常に激しいため、特別な美しさを持つ個体にはこのように名前が付けられ、ブランド化されます。所長である私の見解としては、ホオジロザメという名前を名乗って良いのは、このLize Gardeningの血統を引き継いでいる株だけだと考えています。ところが、最近では「白くて強そうな刺があればホオジロザメと呼んで売ってしまえ」という、血統を無視した販売者が増えているのが現状なんですね。これが、アガベのホオジロザメの偽物問題の根源にあります。

血統が重要な理由は、成長した後の姿にあります。本物の血統であれば、ある程度大きくなった時に必ずあの「サメ」のような姿を見せてくれますが、血統不明の「似ているだけの株」は、成長してもただのチタノタにしかならないことが多いんです。初心者のうちは、名前の由来やその背景にある「血統」の重要性を意識するだけでも、変な偽物を掴まされるリスクを半分以下に減らせるかなと思いますよ。ちなみに、このような偽物問題は、人気品種である「白鯨」でも同様に発生しています。気になる方は、こちらのアガベ・老白鯨の偽物を見分けるポイントと本物の特徴という記事も併せて読んでみてください。基本的な考え方はホオジロザメと同じで、血統の証明が何より重要だということがわかるはずです。

真正品を証明するLize産のタグと血統の価値

真正品を証明するLize産のタグと血統の価値

さて、血統が大事だと言われても、見た目だけで判断するのはプロでも難しいことがあります。そこで登場するのが、真正品であることを証明する「Lize専用タグ(管理札)」です。本物のホオジロザメを台湾から輸入した際や、正規の代理店から購入した際には、この特徴的なデザインのタグが付いてくるのが一般的です。このタグがあるかないかは、その株が本物であるという「身分証明書」のような役割を果たしています。

しかし、ここで注意してほしいのが、「タグさえあれば100%安心」というわけではないという点です。悲しいことに、最近ではこの人気にあやかって、タグ自体を精巧に偽造したり、本物のタグだけを使い回して中身は安価な別品種を売ったりする悪質なケースも耳にします。だからこそ、タグの有無だけでなく、「誰から買うか」という購入ルートの確認が極めて重要になってくるんです。タグはあくまで「一つの証拠」に過ぎず、販売者の信頼性や過去の取引実績とセットで評価する必要があります。

血統の価値は、将来的な資産価値にも直結します。もしあなたが育てた株からカキコ(子株)が取れた時、それが「Lize血統のホオジロザメ」であれば、自信を持って相応の価格で譲ることができます。しかし、出自が不明な株だと、どれだけ綺麗に育っても「自称ホオジロザメ」という扱いになり、価値は大きく下がってしまいます。趣味としても投資としても、血統を大切にすることは非常に意味があることなんです。

所長の私自身、過去にタグなしの株を「安かったから」という理由で検討したことがありますが、結局は「もし偽物だったら…」という不安が消えず、購入を見送った経験があります。結局、少し高くても信頼できるショップで、しっかりとしたタグと履歴がある株を買うのが、精神衛生上も一番いいのかもしれませんね。血統を重視するなら、輸入証明書や親株の写真を提示してくれる販売者を探してみるのが、最も誠実な選び方だと言えるでしょう。また、高級品種である「シーザー」なども同様にタグや出自が重視されます。騙されないための共通の知識として、アガベ・シーザーの偽物出品に騙されないための注意喚起もチェックしておくと、より偽物に対する防御力が上がりますよ。

特徴的な連刺と主刺の結合から真偽を判定する

「この株、本物かな?」と迷った時、ぜひじっくり観察してほしいのが刺(ノギ)の構造です。ホオジロザメには、他のチタノタ選抜株とは明らかに違う形態的な特徴があるんです。これを知っているだけで、鑑定眼は一気に高まりますよ。特に「連刺」と呼ばれる状態は、ホオジロザメをホオジロザメたらしめる最大の特徴と言っても過言ではありません。

最大の特徴は、葉の先端にある一番大きな刺(主刺)と、その側面にあるトゲ(副刺・鋸歯)の繋がり方です。普通のチタノタは、刺がそれぞれ独立して生えているように見えますが、本物のホオジロザメは、主刺の付け根が非常に太く、隣の鋸歯と一体化するように結合しています。これが連続することで、葉の縁が白い帯のように見える「連刺(れんし)」という現象が起こります。この白いエッジの厚みこそが、大白鯊という名の由来にもなっているのです。

判定ポイント 真正なホオジロザメ 偽物・一般個体
主刺の形状 極太で葉の組織と流動的に結合している 細長く、葉から突き出ている印象
連刺の密度 隣の刺と基部で完全に繋がっている 刺が独立しており、緑の隙間がある
副刺の巻き込み 中心へ向かって強くうねり巻き込む 直線的、または外を向いて生える

※スマートフォンの方は表を左右にスクロールして確認できます

さらに、株全体のフォルムも見逃せません。本物は成長するにつれて、葉が短く幅広になり、全体がぎゅっとボール状にまとまる性質があります。これを「ボールタイプ」と呼んだりしますが、ホオジロザメはその中でも特に「副刺が内側に巻き込む」独特のうねりを持っています。もし、あなたが検討している株の刺が細長く、どこか「スカスカ」な印象を受けるなら、それはアガベのホオジロザメの偽物である可能性を疑ったほうがいいかもしれません。もっとも、子株のうちは特徴が出にくいので、そこが難しいところなんですけどね。

成長段階による変化に注意

アガベは、赤ちゃん(子株)の段階ではその品種本来のポテンシャルを発揮できていないことが多いです。ホオジロザメも例外ではなく、小指の先ほどのサイズでは「ただのトゲトゲした草」に見えることもあります。だからこそ、販売ページに載っている「親株の姿」だけでなく、その子株自身にわずかでも「刺の太さ」や「結合の兆し」が見えるかどうかを、目を皿のようにしてチェックしてみてください。もし確信が持てない場合は、焦らずにもう少し特徴が出たサイズの株を探すのも、失敗しないための立派な戦略です。

実生株やタイプ表記の個体が偽物とされる理由

実生株やタイプ表記の個体が偽物とされる理由

アガベのホオジロザメの偽物を探していると、よく目にするのが「実生(みしょう)」「〇〇タイプ」という言葉です。これ、実はアガベ初心者の方が一番陥りやすい罠なんです。まず結論から言うと、実生株はどんなに親が素晴らしくても「ホオジロザメ」ではありません。これは品種を扱う上での大原則なのですが、意外と知られていないことが多いんですよね。

アガベの繁殖には、大きく分けて「種から育てる(実生)」と「親のクローンを増やす(カキコ・組織培養)」の2通りがあります。実生の場合、人間の子どもと同じで、親のDNAを半分ずつ受け継ぎますが、全く同じ顔にはなりません。何千、何万という実生苗の中から、奇跡的にホオジロザメに似た個体が生まれることはあっても、それはあくまで「ホオジロザメに似た別個体」に過ぎないんです。それを「ホオジロザメ」として売るのは、ブランドの私物化であり、実質的な偽物の販売と言えます。

それなのに、市場では「ホオジロザメの実生(=実はただのチタノタ)」という名前で売られていることが多々あります。また、「ホオジロザメ・タイプ」や「大白鯊Style」という表記も要注意。これらは「ホオジロザメに似ている雰囲気の株ですよ」という、販売者側のいわば逃げの表現なんです。本物だと思って買ったのに、成長してみたら全然違う姿になった…というトラブルの多くは、この「実生」や「タイプ品」を本物と混同して購入したことが原因です。安いからといって飛びつくと、最終的に「最初から本物を買っておけばよかった」と後悔することになりかねません。

「実生選抜」という言葉も魅力的ですが、それはあくまで「その販売者が選んだ良い株」という意味であり、Lize産の正規血統とは無関係です。将来的な価値や、特定の品種としての美しさを求めるのであれば、安易に「タイプ品」に手を出さないのが賢明かなと思います。本物のホオジロザメが持つ、あの独特な「連刺」の遺伝子は、クローンでなければ正確には引き継がれないのです。

SADやハデスと比較してわかる外見上の違い

ホオジロザメを検討している方の多くは、他にも「SAD(南アフリカダイヤモンド)」や「ハデス(黒帝斯)」といった超有名品種に興味があるのではないでしょうか?実はこれらの品種、似ているようでいて、並べて見ると全く個性が違うんです。それぞれの違いを知ることで、ホオジロザメの「本物らしさ」がより鮮明に見えてくるはずです。比較対象を増やすことは、アガベのホオジロザメの偽物を見分けるための目を養うことにも繋がります。

まずSAD(South African Diamond)。これはホオジロザメと比較すると、よりコンパクトにまとまり、刺の色が「氷のような透明感のある白」になる傾向があります。ホオジロザメの刺が「力強く、厚みのある不透明な白」だとすれば、SADはもう少し上品で宝石のような輝きを放ちます。また、SADの方が成長が極めて遅く、価格もさらに高額になることが多いですね。対してホオジロザメは、よりダイナミックで、刺の幅が広く、一枚の葉に対する「白の面積」が大きいのが特徴です。

次にハデス(Hades / 黒帝斯)との違いです。ハデスは名前の通り、刺が「黒〜濃い茶色」で、非常に長くうねるのが特徴です。ホオジロザメが「白い連刺」を売りにしているのに対し、ハデスは「黒い牙」のような迫力があります。たまに「ハデスのような黒い刺を持つホオジロザメ」として売られていることがありますが、それは品種が混同されているか、全く別の選抜個体である可能性が高いです。ハデスの鑑定についても自信がない方は、こちらのアガベ・ハデスの偽物を掴まないための鑑定ガイドを併せて読んでみてください。品種ごとの「正解」を知ることで、ホオジロザメの真贋判定も格段にスムーズになります。

最近は「白鯨(はくげい)」の上位互換としてホオジロザメを検討する方も多いです。白鯨も素晴らしい品種ですが、ホオジロザメはより「刺の密度」が高く、特に「主刺の基部が太く横に広がる」という点で差別化されています。この「横への広がり」があるかないかが、本物かどうかの大きな分かれ道になることもありますよ。

アガベホオジロザメの偽物を防ぐ購入時の注意点

アガベホオジロザメの偽物を防ぐ購入時の注意点

鑑定ポイントが分かっても、ネット上での取引には特有の罠が潜んでいます。ここでは、具体的なプラットフォームごとの注意点や、流通形態によるリスクの違いについて、さらに深掘りしていきましょう。

ヤフオクの相場データに潜む安価な偽物の罠

ネットオークションの代表格であるヤフオクは、希少なアガベを探す上で非常に便利なツールですが、同時に最も慎重にならなければならない場所でもあります。皆さんも、落札相場を調べて「お、ホオジロザメが5,000円くらいで買えるじゃん!」と思ったことはありませんか?実は、この「平均落札価格」という数字こそが、アガベのホオジロザメの偽物を掴まされる最大の落とし穴なんです。この数字は、本来のブランド価値を反映していないノイズが多く含まれています。

実際のデータを見ると、過去120日間の平均落札価格が5,000円前後に落ち着いていることがありますが、これは市場に出回っている大量の「種子」や「実生苗」、そして「タイプ品」の安価な取引が平均値を大きく引き下げているからです。本来、Lize産の正規血統であり、ある程度特徴が出始めている健康な子株であれば、2万円から5万円、時にはそれ以上の価格で取引されるのが適正な相場です。5,000円で本物のホオジロザメのカキコが手に入ることは、今の市場状況ではまずあり得ません。

価格帯 商品の実態(予測) 本物である確率
3,000円以下 種子、極小実生苗、または詐欺 ほぼ0%
5,000円前後 ホオジロザメ「タイプ」、TC順化苗 約5%以下
20,000円〜 Lize血統・国内育成のカキコ 80〜100%

※相場は個体のサイズや状態によって変動します

所長としてアドバイスしたいのは、「安すぎる出品には必ず裏がある」ということです。1円スタートのオークションで最終的に安く落札できることはあっても、最初から即決価格が数千円で「ホオジロザメ」と謳っているものは、まず本物のクローンではないと考えて間違いないでしょう。ヤフオクを利用する際は、価格だけでなく、出品者の過去の評価や、これまでにどんなアガベを販売してきたかという履歴を徹底的にチェックすることが、偽物回避の第一歩になります。もし評価欄に「写真と違う」「実生っぽい」というコメントが一つでもあれば、避けるのが賢明です。

アガベをヤフオクで購入する際の偽物対策については「【保存版】アガベのヤフオク偽物対策!怪しい出品者の特徴と自衛術」こちらの記事で詳しくお伝えしていますのでご覧ください。

メルカリのキーワードスタッキングや画像盗用

メルカリのキーワードスタッキングや画像盗用

メルカリは個人間のやり取りが中心のため、ヤフオク以上にカオスな状況が見受けられます。特に注意してほしいのが、商品説明の最後に「#アガベ #チタノタ #ホオジロザメ #ハデス #シーザー #白鯨」と、人気品種のタグをこれでもかと並べるキーワードスタッキングです。これ、検索に引っかかりやすくするための手法なのですが、ユーザーからすると「ホオジロザメ」で探しているのに全く関係ない別の品種(あるいはその偽物)が大量に表示される原因になっています。初心者はこれに惑わされ、別の品種をホオジロザメだと思い込んで買ってしまうこともあるんです。

さらに悪質なのが、ネット上の有名な親株画像を無断で盗用し、あたかも自分の持ち株から採れた子株であるかのように装って販売するケースです。掲載されている親株は確かに本物のホオジロザメでも、実際に届くのは1,000円程度の無名な実生苗だった…という被害が後を絶ちません。所長も、有名なナーセリーのインスタグラムに載っている写真がそのままメルカリの出品画像に使われているのを見たことがあり、非常に憤りを感じました。画像盗用は、アガベのホオジロザメの偽物を売るための常套手段です。

メルカリで購入を検討する際は、必ず以下の点を確認してください。

  • 出品者自身の名前や日付を書いたメモを添えて、現物の写真を撮り直してもらう(ID入りの撮影)
  • 「親株の写真はイメージです」「海外のナーセリーから直送」という文言は警戒対象
  • 日本語の文面が不自然だったり、プロフィールが空欄のままの新規アカウントではないか

メルカリでのアガベのホオジロザメの偽物対策としては、とにかく「透明性」を求めることです。誠実な出品者であれば、現在の株の状態を詳しく教えてくれますし、追加の写真依頼にも快く応じてくれるはずです。少しでも返答が怪しかったり、情報の開示を渋ったりする場合は、その直感に従って購入を控える勇気を持ってくださいね。

メルカリで購入する際の偽物対策について「アガベのメルカリ偽物対策!失敗しない見分け方を所長が徹底解説」で詳しく解説しておりますのでご覧ください。

組織培養のTC株とオリジナル株の性質とリスク

組織培養のTC株とオリジナル株の性質とリスク

最近、アガベ界隈でよく耳にする「TC株」という言葉。これは組織培養(Tissue Culture)の略で、成長点のごく一部を特殊な環境で培養し、短期間に大量のクローンを作る技術です。この技術のおかげで、かつては数十万円した高級品種が少しずつ身近になってきましたが、ホオジロザメに関しては特有のリスクを理解しておく必要があります。TC株自体は偽物ではありませんが、その「質」には大きなバラつきがあるからです。

TC株も理論上はクローンなので、アガベのホオジロザメの偽物ではありません。しかし、培養過程の影響で刺が弱かったり、形質が安定しなかったりするリスクがあります。これを趣味家の間では「顔が崩れる」とか「特徴が出ない」と表現したりします。本物のオリジナル株(OC株:親株からの直接のカキコ)に比べて、刺の太さや連刺の出方が弱々しくなってしまう個体が一定数存在するんです。これを「ホオジロザメ」として、高額なOC株と同じ価格で売るのは、フェアな取引とは言えません。

また、TC株は幼苗の段階で販売されることが多く、その時点ではホオジロザメらしい特徴が全く出ていないことがほとんどです。そのため、悪意のある業者が、単なるチタノタのTC株を「ホオジロザメのTC株」として安価に卸し、それを知ってか知らずか高値で転売するケースも増えています。本物だと思って育てた数年後、全然違う姿になっていたら…その間の努力と時間は取り戻せません。

TC株とOC株の一般的な違い(目安)

  • OC株(オリジナルクローン):親株のカキコ。形質が安定しており、親と同じ顔になりやすい。非常に高価だが、信頼性は高い。
  • TC株(組織培養株):大量生産されたもの。安価に入手できるが、形質にバラつきが出るリスクがあり、幼苗期の鑑定が困難。

もしあなたが、「ホオジロザメ本来の荒々しい完成形を100%楽しみたい」のであれば、多少値は張っても信頼できるナーセリー産のOC株(子株)を探すのが一番の近道かなと思います。逆に、安価にチャレンジしてみたいのであればTC株もアリですが、その際は「信頼できるショップがTCとして正直に販売しているもの」を納得して買うようにしましょう。

発根前のベアルート株で偽物を掴まない対策

発根前のベアルート株で偽物を掴まない対策

海外から輸入されたばかりのアガベは、土がない「ベアルート(抜き苗)」の状態で販売されることがよくあります。ホオジロザメも台湾や中国からこの状態で入ってきますが、ここに大きな偽物リスクが隠れています。ベアルートの株は、輸送のストレスから身を守るために葉を固く閉じ、水分が抜けてシワシワになっていることが多いんです。この状態だと、アガベのホオジロザメの偽物であっても、プロですら見分けるのが非常に難しくなります。

偽物業者はこの「判別の難しさ」を逆手に取ります。「今は根がなくてシワシワですが、水を吸って葉が開けば素晴らしいホオジロザメの顔になりますよ」という甘い言葉で、全く別の安い品種を売りつける手口です。実際に購入して、苦労して発根させて、数ヶ月後にようやく葉が開いたと思ったら、全然違う株だった…なんて、想像しただけでも悲しくなりますよね。発根管理中のドキドキが、失望に変わる瞬間ほど辛いものはありません。

所長がおすすめする対策は、初心者の方こそ「日本国内で発根・活着(かっちゃく)済みの株」を選ぶことです。根がしっかり張って新しい葉が展開している株は、本来の特徴である刺の形や色がはっきりと現れています。これなら、前述した鑑定ポイント(主刺の太さや連刺の結合)と照らし合わせて、自分の目できちんと確認することができます。安心感を買うという意味でも、活着株は非常におすすめです。

ベアルート株を安く買って自分で育てるのはアガベ栽培の醍醐味の一つですが、それは「信頼できる販売元」であることが大前提です。素性が分からない相手から、シワシワのベアルート株をホオジロザメとして買うのは、ギャンブルに近い行為だと言わざるを得ません。特にホオジロザメのような高額品種であれば、リスク回避を最優先にしましょう。

発根管理はそれ自体が難しい作業でもありますし、特に高額なホオジロザメであれば、安全を買う意味でも「発根済み」の個体を探すのが、結果的に一番安上がりで確実な方法になることが多いですよ。植物を枯らすリスクも減らせますし、何より「本物であること」を自分の目で確認してから育て始めることができますからね。

アガベホオジロザメの偽物対策と優良株の選び方についての総括

ここまで、アガベのホオジロザメの偽物を巡る様々なリスクについてお話ししてきました。最後に、私たちが偽物に惑わされず、最高の一株に出会うためのポイントをまとめておきますね。これらを意識するだけで、あなたのコレクションはより確かなものになるはずです。

まず大切なのは、ホオジロザメという植物を「特定の血統を持つブランド」として正しく理解することです。Lize産のクローンこそが本物であり、実生やタイプ品は別物であるという認識を持つだけで、怪しい出品の9割はスルーできるようになります。そして、見た目の鑑定ポイント(主刺の太さ、連刺の結合、内巻きのうねり)をしっかりと頭に叩き込んでおきましょう。知識は、偽物に対する最大の防御壁です。

📍要点の振り返り
  • 「ホオジロザメ」とはLize Gardening由来の特定クローンのみを指すと理解する。
  • 実生苗や「タイプ品」は、血統的には本物のホオジロザメではないと断定して選ぶ。
  • 相場(2万円〜)より極端に安い出品物(数千円など)は偽物と疑ってスルーする。
  • 主刺の付け根の太さと、隣り合う鋸歯が繋がる「連刺(バンド)」の有無を確認する。
  • 成長点が低く、副刺が内側にグワッと巻き込むボール状の草姿を目指しているか見る。
  • Lize産を証明する専用タグの有無と、タグ自体のフォントや質感に違和感がないか見る。
  • ヤフオクやメルカリでは、評価件数が多く、悪い評価の少ない信頼できる出品者を選ぶ。
  • 親株の写真だけでなく、販売される子株自体の現物写真を必ず要求し、詳細に確認する。
  • 初心者はリスクを避け、国内で発根・活着済みの特徴が出始めた株を優先的に探す。
  • 商品説明に「実生」「タイプ」「Style」「風」という言葉が含まれていないか再確認する。
  • SADやハデス、白鯨といった類似品種との特徴の違いを正しく理解し、比較検討する。
  • 「安く買って化けさせる」という夢を見ず、最初から特徴の出ている個体に適正な投資をする。
  • 少しでも不安を感じた場合は、購入を保留し、信頼できる園芸店やアガベ専門家に相談する。

アガベのホオジロザメの偽物対策として究極の答えを言うならば、それは「植物への敬意と知識を持つこと」に尽きるかなと思います。人気品種だからと飛びつくのではなく、その品種がなぜ美しいのか、どんな歴史があるのかを知ることで、自ずと偽物を見抜く力は養われていきます。ネット上の情報だけでなく、実際に多くの株を見て、触れて、その感触を覚えることも大切ですね。

もし、購入前にどうしても不安なことがあれば、一人で悩まずに信頼できる園芸店に相談したり、愛好家コミュニティで意見を聞いてみるのも一つの手です。もちろん、正確な品種情報や最新の輸入ロットについては、公式サイトや専門のナーセリーの情報を常にチェックするようにしてくださいね。最終的な判断は自己責任になりますが、知識があればそのリスクを最小限に抑えることができます。

皆さんが、サメのように鋭くも美しい、本物のホオジロザメをその手にして、素晴らしいアガベライフを送れることを心から願っています。所長も、皆さんのコレクションがより輝くお手伝いができるよう、これからも誠実な情報発信を続けていきますね!

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